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自在置物修理

uzuki designでは結婚指輪制作以外にもいろいろな仕事をさせて頂いています。
今回はそんな仕事の紹介です。
骨董屋さんから持ち込まれた、海老の自在置物。
足が半分とれてしまった状態で修理を依頼して頂きました。
自在置物とは江戸末期から明治にかけて甲冑職人達によってつくられ、その名の通り自在に動くように造られた置物です。主に動物をモチーフに作られた物が多いようです。

自在置物修理前

まずはどういう構造で造られているのかパーツを観察し接合部分の構造を理解することからはじめました。どうしても見えない内側がどうなっているのかわからなかったのですが、壊れていない足の観察と試行錯誤しているうちになるほど構造がわかってきました。
カシメと言う技法でつけられているのですが、長年の使用に耐えられなくなり破損したと思われます。そしてパーツを修理している段階で、作者以外にもう一人修理をした痕跡が残っていました。ただ、半田付けされていたためこの先が困難に・・・。
半田の方が融点が低いため新しいパーツをロウ付けすることができず、半田を全て削り落として改めてその部分も修理しなおしました。
さらに、この先何年も使われ続けるであろう事を考えて、カシメだけではなくネジ加工を施し、さらに壊れにくく。この部分は完全に新しい技術に生まれ変わりました。実はここは悩みどころです。新しい技術を取り入れていいものか、つくられた当時と同じ技術のみで修理するべきか・・・。

自在置物修理中

何百年か後に誰かがまた修理してくれるときに、作者以外に修理している物がいる・・・。しかもしっかりと修理しているな−。と思ってもらえたらうれしいです!

IMG_4246 自在置物修理後

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